このページでわかること
- 寝酒、寝る直前のスマホ、熱すぎるお風呂など、避けたい7つの習慣
- 日中の服のまま寝ることや、温めすぎについての考え方
- 「8時間睡眠」「90分の倍数」「ゴールデンタイム」など俗説の扱い
もくじ
- 避けたい習慣は「刺激」と「ずれ」の2種類
- 寝酒は「寝つき」と引き換えに後半の眠りを浅くする
- 寝る直前のスマホと、熱すぎるお風呂
- 日中の服のまま寝る、温めすぎて寝る
- よく聞く睡眠の話、本当のところは?
- 避けたい習慣は「一つずつ」減らす
- よくある質問
避けたい習慣は「刺激」と「ずれ」の2種類
寝る前に避けたい習慣は、大きく分けて体を目覚めさせる「刺激」と、体内時計の「ずれ」につながるものの2種類です。まずは一覧で見てみましょう。
| 避けたい習慣 | 理由 | 代わりにできること |
| 寝酒 | 睡眠の後半が浅くなり、夜中に目覚めやすい | お酒は寝つくために飲まない |
| 寝る直前のスマホ・明るい照明 | 眠りを促すホルモンが抑えられ、寝つきが遅れる | 就寝2時間前から照明を落とす |
| 熱すぎるお風呂 | 体が目覚めて、かえって寝つきにくくなる可能性 | 就寝1〜2時間前に少しぬるめのお湯で |
| 夕方以降のカフェイン・寝る前の喫煙 | 目を覚ます作用が寝るころまで残ることがある | 夜は茶葉を使わない飲み物に |
| 寝る直前の夜食 | 体内時計が遅れ、翌朝のすっきり感が下がる | 夕食が遅いときは夕方に軽く食べておく |
| 休日の寝だめ | 眠りはためられず、体内時計がずれる | 休日も起きる時刻を大きくずらさない |
| 眠くないのに長く寝床にいる | 寝つきが悪くなり、眠りが浅くなる | 眠くなってから寝床に入る |
寝酒は「寝つき」と引き換えに後半の眠りを浅くする
寝つくためにお酒を飲む「寝酒」は、厚生労働省の睡眠ガイドではすすめられていません。アルコールには一時的に寝つきをよくする作用がありますが、睡眠の後半の質を大きく下げ、飲む量が増えるほど夜中に目が覚める回数も増えるとされています。
さらに、続けているうちに慣れが生じて量が増えたり、飲まないと眠れない状態になったりするおそれもあります。日本人を含むアジアの人は、少量でもアルコールの影響を受けやすい人が多いことにも触れられています。同じように、ニコチンにも目を覚ます作用があり、寝る前の喫煙は避けたい習慣の一つです。
寝る直前のスマホと、熱すぎるお風呂
寝る直前までスマホを見続けることと、熱いお風呂に入ることは、どちらも体を目覚めさせる方向に働きます。
眠りを促すホルモンは就寝の約2時間前から出始め、強い光を浴びると分泌が抑えられるとされています。寝床でスマホを見る習慣があるなら、まずは寝室に持ち込まないことから始めてみましょう。
お風呂は、寒い季節ほど熱いお湯に長くつかりたくなりますが、湯温が極端に高いと体が目覚めて、かえって寝つきを妨げる可能性があるとされています。以前の指針では、就寝直前の42℃以上のお湯に注意が呼びかけられていました。入浴は就寝の1〜2時間前に、少しぬるめのお湯でゆっくりと。おすすめの過ごし方は寝る前のおすすめ習慣で紹介しています。
日中の服のまま寝る、温めすぎて寝る
ジーンズや外出着のまま寝てしまう、厚着や電気毛布で温めすぎる。どちらも体が自然に熱を逃がすのを妨げやすい過ごし方です。
眠りに入るとき、体は手のひらや足の裏から熱を逃がして、体の内部の温度を下げていきます。また、寝ている間の寝返りには、体の同じところが圧迫され続けるのを防いだり、寝床の中の温度や湿気を調節したりする役割があります。睡眠ガイドでは、リラックスできる寝間着・寝具で眠ることがすすめられています。日中の服は外で動きやすいように作られているので、寝るときはパジャマやルームウェアなど、ゆとりがあって寝返りしやすいものに着替えるのがおすすめです。
温めすぎについては、公的な解説で、厚手の靴下や電気毛布で手足を温めすぎると熱が逃げにくくなることに注意が呼びかけられています。一方、冷えて寝つけない人が寝る前に足を温めるのは寝つきを助けるという研究もあり、考え方は一つではありません。電気毛布は寝る前に寝床を温めておき、眠るときは切るかタイマーを使う、靴下を履くなら締めつけず厚すぎないものにする、といった使い方が取り入れやすいでしょう。夜の下着や靴下については寝るときの下着Q&Aで詳しく紹介しています。
よく聞く睡眠の話、本当のところは?
睡眠には「〜するとよい」という話がたくさんあります。公的な資料で否定されているもの、そもそも書かれていないものを確かめてみました。
- 公的資料で否定厚生労働省の睡眠ガイドなどで、はっきり否定されている
- 根拠が弱い公的な資料には見当たらず、裏付けが弱い
- 条件つき一部は正しいが、条件によって変わる
「睡眠は誰でも8時間必要」
公的資料で否定
必要な睡眠時間には大きな個人差があり、公的な解説では3時間以上の差があるとされています。睡眠ガイドがすすめるのは、成人は6時間以上を目安に、日中の眠気や休養感を手がかりに自分に合った時間を見つけることです。実際に眠れる時間は年齢とともに短くなり、高齢の方は寝床にいる時間が長くなりすぎないよう注意が必要とされています。
「休日に寝だめすれば、平日の寝不足を取り戻せる」
公的資料で否定
睡眠ガイドでは、眠りは「ためておく」ことができないとされています。休日に長く眠る必要があるのは、平日の睡眠が足りていないサイン。休日の朝寝坊で起きる時刻が大きくずれると、時差ボケのような状態になり、週明けがつらくなることもあります。
「長く寝床にいれば、それだけ体が休まる」
公的資料で否定
必要以上に長く寝床にいると、寝つきが悪くなったり、夜中に目覚めやすくなったりして、かえって眠りが浅くなるとされています。眠くなってから寝床に入り、眠れないときはいったん寝床を出るのがすすめられています。
「90分の倍数で起きると、すっきり目覚められる」
根拠が弱い
眠りの浅い・深いがおよそ90分の周期でくり返されることは、公的な解説でも紹介されています。ただし、これは平均的な目安で、周期の長さには人や日によって幅があります。「90分の倍数で起きるとよい」という起き方は、公的な資料ではすすめられていません。大切なのは、十分な睡眠時間と毎日の規則正しさです。
「22時〜2時は睡眠のゴールデンタイム」
根拠が弱い
よく耳にする話ですが、厚生労働省の睡眠ガイドや以前の指針には、この時間帯に寝るべきという記載は見当たりません。ガイドが重視しているのは、時刻そのものより、必要な睡眠時間がとれていること、起きたときの休養感、休日も含めた起床時刻の規則正しさです。
「夏のエアコンは28℃設定がよい眠りの目安」
条件つき
「28℃」は、冷房時の室温の目安として省エネの呼びかけで使われてきた数字で、睡眠のための推奨温度として示されたものではありません。睡眠ガイドでは、夏はエアコンで寝室を涼しく保つことが大切とされ、夜間の室内でも熱中症が起きていることから、エアコンを上手に使うよう呼びかけられています。冷風が直接体に当たらないようにしながら、自分が暑くない温度に調節しましょう。寝室の整え方は寝具と寝室の整え方で紹介しています。
避けたい習慣は「一つずつ」減らす
避けたい習慣を一度に全部やめる必要はありません。まずは一つ、続けやすいものから見直してみましょう。たとえば「寝室にスマホを持ち込まない」「帰宅したらルームウェアに着替える」だけでも、夜の過ごし方は変わってきます。
今夜見直したいこと
- 寝つくためにお酒を飲んでいない
- 寝室にスマホを持ち込んでいない
- 寝る前に熱すぎるお風呂に入っていない
- 日中の服のまま寝ていない
- 休日も、平日と大きくずれない時刻に起きている
下着の歴史にも、よく聞くけれど本当かどうか怪しい話がたくさんあります。気になる方は下着の歴史、よく聞くあの話は本当?もどうぞ。眠れない状態や日中の強い眠気が続くときは、自己判断せず医療機関にご相談ください。
よくある質問
寝る前にお酒を飲むとよく眠れますか?
すすめられていません。厚生労働省の睡眠ガイドでは、アルコールは一時的に寝つきをよくするものの、睡眠の後半の質を大きく下げ、夜中に目が覚めやすくなるとされています。習慣になると飲まないと眠れなくなるおそれもあるため、寝つくための飲酒は推奨されていません。
休日に寝だめをすれば平日の睡眠不足を取り戻せますか?
取り戻せません。睡眠ガイドでは、眠りをためておくことはできず、休日に長く眠る必要があるのは平日の睡眠不足のサインだとされています。休日に起きる時刻が大きく遅れると、体内時計がずれて週明けがつらくなることもあります。
睡眠は誰でも8時間必要ですか?
必要な睡眠時間には個人差があります。睡眠ガイドでは、成人は6時間以上を目安に、日中の眠気や休養感を手がかりに自分に必要な時間を見つけることがすすめられています。年齢とともに実際に眠れる時間は短くなっていくとされています。
靴下を履いて寝るのはよくないですか?
一概によい・悪いとは言えません。公的な解説では厚手の靴下などで手足を温めすぎると熱が逃げにくくなることに注意が呼びかけられる一方、寝る前に足を温めると寝つきを助けるという研究もあります。履くなら締めつけず、温めすぎないものを選ぶとよいでしょう。
この記事に出てくる用語
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