このページでわかること
- 季節を問わず目安になる「寝床の中の温度と湿度」の考え方
- 夏は寝室をエアコンで涼しく保ち、通気性と吸水性のある服装に
- 冬は寝具で寝床をあたため、夜中や朝の急な寒さに備える
- 春秋の寒暖差は、重ねて調整できる服装と寝具で
もくじ
- 季節を問わない基本は「寝床の中」の心地よさ
- 夏の寝苦しい夜は、寝室を涼しく、服は通気性重視
- 冬の冷える夜は、寝具で寝床をあたため、急な寒さに備える
- 春と秋の寒暖差は「重ねて調整」
- 家族の年代に合わせた気配り
- 季節別 服装と寝具の早見表
- よくある質問
季節を問わない基本は「寝床の中」の心地よさ
季節ごとの服装を考えるときは、寝室の温度だけでなく、パジャマと寝具に包まれた「寝床の中」が心地よいかどうかを目安にします。以前の厚生労働省の睡眠指針では、寝具や寝衣を使う普段の生活で許容される室温は13〜29℃とされ、夏は高め、冬は低めでも、寝床の中の体のまわりが33℃前後であれば睡眠の質は下がらないと考えられています。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、寝床の中の温度は33℃、湿度は50%が最適とされています。
また、同じ温度でも湿度が高いと目覚めが増え、深い睡眠が減るとされています。服装と寝具は、温度だけでなく湿気を逃がせるかどうかも意識して選びましょう。
役割分担で考える
- 寝室の温度・湿度 → エアコン、暖房、除湿・加湿
- 寝床の中の温度 → 掛けもの・敷きものの重ね方
- 肌に触れる心地よさ・汗 → パジャマの素材と厚さ
夏の寝苦しい夜は、寝室を涼しく、服は通気性重視
夏はエアコンで寝室を涼しく保ち、服装は通気性と吸水性のある薄手のものにするのが基本です。厚生労働省の睡眠ガイドでは、夏に寝室の温度が上がると睡眠時間が短くなり、眠りの効率も下がるとされ、エアコンで寝室を涼しく保つことが重要とされています。冬に比べて夏は睡眠時間が短くなりやすく、暑く湿度の高い寝室もその一因と考えられています。
学会誌の解説では、室温の上限は26〜28℃といわれ、それを超える場合はエアコンを使い、冷風が直接体に当たらないようにすることがすすめられています。また、熱中症は室内や夜間にも多く起きているため、夜もエアコンを上手に使うことが呼びかけられています。
夏のパジャマ選び
- 素材:ガーゼや二重ガーゼ、パイル、薄手の綿など、汗を吸って乾きやすいもの
- 形:半袖・ハーフパンツなど風が通るもの。冷房で冷えやすい人は、薄手の長袖・長ズボンでおなかや足首を覆う
- 寝具:タオルケットや薄手のガーゼケットを1枚、手の届くところに
「エアコンは28℃」は睡眠の推奨値ではありません
よく耳にする28℃は、省エネのための冷房時の室温の目安です。寝室は、暑くて寝つけない・夜中に目が覚めるといったことがないよう、体感に合わせて調整しましょう。
冬の冷える夜は、寝具で寝床をあたため、急な寒さに備える
冬は厚着をするより、寝具で寝床をあたためるのが基本です。睡眠ガイドによると、冬は寝室が寒くても、寝具で寝床があたたかく保たれていれば睡眠への影響は小さいとされています。e-ヘルスネットでも、寝る前に毛布や湯たんぽなどで寝床をあたためておくと寝つきやすいとされています。
注意したいのは、夜中のトイレや朝起きたときに、急に寒さにさらされることです。急な寒さで血圧が上がり、体に負担がかかるおそれがあるため、睡眠ガイドでは、WHOの住宅に関するガイドラインが冬の室温18℃以上を推奨していることも紹介されています。また、寝る前に過ごす部屋が寒いと寝つきに時間がかかるという調査もあり、寝る前はあたたかい部屋で過ごすのがよいと考えられています。
冬のパジャマ選び
- 素材:起毛したフランネル、厚みのあるスムースなど、肌ざわりにあたたかみのあるもの
- 形:長袖・長ズボン。首元や手首・足首がすうすうしないもの
- 小物:夜中に起きたときのための羽織りものやルームシューズ
眠りに入るときは手足から熱が逃げていくため、着込みすぎたり、電気毛布を一晩中強くしたりすると、暑く感じて寝苦しくなることがあります。電気毛布は寝る前にあたためておき、寝るときは切るかタイマーを使うとよいとされています。
寝汗が気になるときは
寝ている間にも汗をかき、汗が蒸発することで体の熱が逃げていきます。寝汗でパジャマが湿って目が覚めるときは、素材を吸水性のよい綿やガーゼに替える、寝具を1枚減らす、除湿で寝室の湿度を下げる、といった方法を組み合わせてみてください。枕元に替えのパジャマやタオルを置いておくと、夜中に着替えたいときにも慌てずに済みます。汗を吸ったパジャマは、翌日に洗濯しましょう。
春と秋の寒暖差は「重ねて調整」
春と秋は、脱ぎ着や掛けものの枚数で調整できるようにしておくのが便利です。日中は暖かくても、明け方に冷え込む日があります。長袖のパジャマに薄手の掛けものを2枚重ねておき、暑ければ1枚外す、といった調整がしやすい組み合わせがおすすめです。
素材は、二重ガーゼやワッフル、天竺など、季節をまたいで使いやすいものが重宝します。
家族の年代に合わせた気配り
同じ寝室でも、年代によって暑さ・寒さの感じ方や注意したい点が変わります。厚生労働省などが作成した熱中症対策の資料では、高齢の方は暑さやのどの渇きを感じにくくなるため、室内でも熱中症に気をつけるよう呼びかけられています。夏の夜は、本人が「暑くない」と言っても、室温を確認してエアコンを使うようにしましょう。
冬は、夜中にトイレに起きたときの寒さに注意が必要です。睡眠ガイドでは、高齢の方の夜中のトイレについて、転ばないよう足元灯などで足元を照らす工夫も紹介されています。枕元に羽織りものを置き、すべりにくいルームシューズを用意しておくと、寒さと足元の両方に備えられます。
小さな子どもは大人より汗をかきやすく、寝ている間に布団をはいでしまうこともあります。厚着をさせるより、汗を吸いやすいパジャマに、腹巻やスリーパーなど脱げにくいもので調整すると安心です。
季節別 服装と寝具の早見表
迷ったときは、次の表を目安にしてください。寝室の温度や体質によって心地よさは変わるので、暑い・寒いと感じたら一枚ずつ調整するのが基本です。
| 季節 | 寝室 | パジャマ | 寝具 |
| 夏 | エアコンで涼しく、除湿も | 半袖・薄手。ガーゼ、パイル、薄手の綿 | タオルケット、ガーゼケット |
| 春・秋 | 朝晩の冷え込みに注意 | 長袖。二重ガーゼ、天竺、ワッフル | 薄手の掛けものを重ねて調整 |
| 冬 | 寝る前に過ごす部屋はあたたかく | 長袖・長ズボン。フランネル、スムース | 毛布や掛け布団を重ね、寝る前に寝床をあたためる |
パジャマの素材ごとの特徴は寝るときの服装ガイドで、掛けものの重ね方は寝具と寝室の整え方で詳しく紹介しています。
よくある質問
夏の寝室は何度くらいにすればいいですか?
厚生労働省の睡眠ガイドには具体的な設定温度はなく、夏はエアコンで寝室を涼しく保つことが大切とされています。学会誌の解説では、室温の上限は26〜28℃といわれるとされています。冷風が直接体に当たらないようにし、寝具と服装で寒くなりすぎないよう調整してください。
冬は厚着をして寝たほうがいいですか?
厚着よりも、寝具で寝床をあたためるのが基本です。眠りに入るときは手足から熱を逃がすため、着込みすぎると暑く感じることがあります。パジャマは保温感のある素材を選び、掛けものを重ねて調整しましょう。夜中にトイレへ行くときなどの急な寒さには、羽織りものやルームシューズで備えると安心です。
エアコンは28℃設定がよいと聞きましたが本当ですか?
28℃は、環境省が省エネのために示している冷房時の室温の目安で、睡眠のための推奨温度ではありません。寝室は、暑くて寝つけない・目が覚めるといったことがないよう、体感に合わせて調整してください。
寝室の湿度はどのくらいがいいですか?
寝室の湿度について、公的機関の資料に具体的な数値はありません。ただ、同じ温度でも湿度が高いと目覚めが増え、深い睡眠が減るとされています。夏は除湿を、冬は乾燥しすぎないよう加湿を意識するとよいでしょう。
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